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パサートヴァリアントはなぜ安いのか?という疑問を持つ方へ。
日本での年間販売台数が他の人気車種と比較して少ないパサートヴァリアント。
その背後には、日本の市場特有のニーズやブランドのディーラーネットワークの少なさなど、さまざまな要因が存在します。
しかし、これらの要因を超えて、パサートヴァリアントはその高い安全性や独特の走行性能で、特定のユーザー層からの熱烈な支持を受けています。
この記事では、パサートヴァリアントが日本の中古車市場で「お買い得」とされる背景を詳しく解説します。
- パサートヴァリアントの中古車価格がリーズナブルな理由
- フォルクスワーゲンのディーラーの少なさがパサートヴァリアントの中古車価格に影響
- 日本での特定の車種(エコカー、コンパクトカー)への需要集中が価格にどう影響しているか
- パサートヴァリアントの新車価格は高いが、中古市場では高性能なモデルが手頃な価格で取引されている
パサートヴァリアントはなぜ安い?不人気の理由
画像引用:WebCG
- パサートヴァリアント中古車の平均価格
- マイナーチェンジの度に安くなる
- ディーラーが少なめ
- 他車種への需要集中
- 中古車登録台数と市場の実態
- 国産車よりも高いのがネック
- パサートヴァリアントのリコール情報
- ユーザーからの不満点
パサートヴァリアント中古車の平均価格
フォルクスワーゲンのパサートヴァリアントは、新車での購入を検討すると、一部のグレードでは支払総額が600万円以上となることもあります。
しかし、中古車市場を見ると、この車種の取引価格は非常に魅力的です。
例えば、現行型の中古車であれば、総額160万円から、また走行距離1万km未満の高年式物件であっても、総額400万円程度から取引が行われています。
また、中古車業者による最近のデータを見ると、カーセンサーでは平均価格が231.9万円、グーネットでは平均価格が190.0万円となっています。
これらの価格を、2015年式ヴァリアントの新車価格、483~627万円と比較すると、中古車市場では半額近くでの取引が可能となっています。
このような価格差の背景には、マイナーチェンジの頻度や、新たなテクノロジーやデザインの導入、そして古いモデルとの競争力を高めるためのモデルチェンジが影響していると考えられます。
パサートヴァリアントは、1990年の初代発売から現在までに、フルモデルチェンジ3回、マイナーチェンジや一部改良を含めて30回以上のモデルチェンジが行われています。
このように、パサートヴァリアントの中古車価格は、新車価格と比較して非常にリーズナブルであり、多くの要因が絡み合ってこの価格帯が形成されていることがわかります。
マイナーチェンジの度に安くなる
マイナーチェンジは、車のモデルが一部変更されることを指します。
パサートヴァリアントにおいても、これらの変更は定期的に行われており、それに伴い旧モデルの価格に変動が生じることが一般的です。
具体的には、新しい技術や機能の追加、デザインの変更などが行われることで、新しいモデルが市場に登場します。
このような変更が行われると、自然と新しいモデルへの需要が高まり、旧モデルの価値が相対的に下がることが一因として挙げられます。
実際に、2018年モデルと2019年モデルの間で、約50万円の価格差が生じていることが確認されています。
また、パサートヴァリアントのグレードには、2015年から2021年までの間に複数の変更が加えられています。
例として、2016年9月を境に「TSI Rライン」のエンジンが変更されている点が挙げられます。
このようなグレードごとの変更も、マイナーチェンジの一環として行われ、それに伴い価格にも変動が生じることが考えられます。
こうしたマイナーチェンジの影響を理解することは、中古車の購入を検討する際の大きなポイントとなります。
新しいモデルの機能やデザインが魅力的であればあるほど、旧モデルの価格は下がりやすく、これが中古車市場における価格の形成要因の一つとなっています。
ディーラーが少なめ
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パサートヴァリアントは、フォルクスワーゲンのラインナップの中でも魅力的なモデルとして知られています。
その優れた走行性能や広い室内空間、充実した装備は多くのユーザーから支持を受けています。
しかし、日本国内におけるフォルクスワーゲンの正規ディーラーネットワークは、他の主要な日本車メーカーと比較すると圧倒的に少ないのが現状です。
このディーラーネットワークの少なさは、中古車価格にも影響を及ぼしています。
輸入車特有の部品の構造やメンテナンスの必要性を考慮すると、正規ディーラーでのサポートが不可欠となります。
そのため、ディーラーが近隣に存在しない場合、購入者はメンテナンスのアクセス性を懸念し、中古車の価格が抑えられる傾向が見られます。
しかし、専門の修理業者やパーツ供給網は日本国内にもしっかりと存在しているため、適切なケアを行えば、パサートヴァリアントを長く安心して使用することが可能です。
他車種への需要集中
近年、日本の自動車市場は特定の車種やカテゴリーへの需要が集中しています。
特に、プリウスやアクアのような低燃費のハイブリッド車や、ノートのようなエコカーは、環境や経済性を重視するユーザーからの支持を集めています。
これらの車種は、エコカー減税の対象車としても指定されており、環境への配慮と経済性が求められる現代の日本市場において、非常に魅力的な選択肢となっています。
また、コンパクトカーの人気も高まっています。
特に、都市部での利用を考慮すると、その取り回しの良さや狭い駐車スペースでも停められる利点が評価されています。
一方、ファミリー層からの支持を集めるのは、セレナやボクシー、シエンタのようなミニバンです。
これらの車種は、3列シートを持ち、大人数での移動や、ベビーカーの収納、チャイルドシートの取り付けなど、家族連れにとっての利便性が高いため、非常に人気があります。
このような市場の動向を鑑みると、パサートヴァリアントのような車種は、特定のニーズを持つユーザーからの支持は得られているものの、大多数のユーザーからの需要は限定的となっているようです。
しかし、パサートヴァリアント自体には、フォルクスワーゲンの優れた走行性能や広い室内空間、充実した装備など、多くの魅力が詰まっています。
中古車登録台数と市場の実態
パサートヴァリアントの中古車市場における登録台数は、一部の中古車サイトにおいて約250台となっています。
この数値は、同ブランドのゴルフヴァリアントの550台と比較すると、やや少なめです。
このことから、日本市場におけるパサートヴァリアントの需要は、他の車種に比べて控えめであることが伺えます。
しかしながら、この車種の魅力が少ないわけではありません。
フォルクスワーゲンの代表的な走行性能、広々とした室内空間、そして豊富な装備が特徴として挙げられます。
市場の動向や他車種との比較を考慮しつつも、パサートヴァリアントはその独自の魅力で一定のファンを持っています。
国産車よりも高いのがネック
パサートヴァリアントが、日本の市場での人気が高くないとされる背景には、いくつかの要因が考えられます。
まず、日本での年間販売台数は5,000台~8,000台程度と、他の人気車種と比較しても少ないです。
日本での人気車の条件として、低燃費、エコカー、コンパクト、ファミリーカーなどが挙げられますが、パサートはこれらの条件からはやや外れる特徴を持っています。
具体的には、外車という個性、高速道路での便利な機能、高い安全性などが挙げられます。
しかし、価格面では人気の国産車と比べてやや高めの設定となっており、外車というだけでは、実用的な国産車をライバルにするのは難しい状況です。
電気自動車や排ガス対策などの環境技術への取り組みも進められていますが、それにも関わらず日本市場での人気が伸び悩んでいます。
それにも関わらず、パサートヴァリアントは安全性が高く、個性的な外車を好む人々には魅力的な選択肢となっています。
そのため、日本での人気が高くないとされる背景を理解した上で、その他の魅力を正しく伝えることで、新たなターゲット層の獲得が期待できるでしょう。
パサートヴァリアントのリコール情報
リコールとは、製造上の欠陥が確認された車種に対して行われる改善措置を指します。
フォルクスワーゲンジャパンは、2019年4月にパサートヴァリアントに関するリコールの届け出を行っています。
具体的には、燃料タンクに取り付けられたゲージ付き燃料ポンプに問題があり、外気温などの影響で燃料タンクが膨張する可能性が指摘されています。
このような状況は、車が走行不能になるリスクを伴います。
しかし、正規ディーラーではこの問題に対する改善措置が実施されており、中古車を購入する際には、この改善措置を受けた車両かどうかを確認することが推奨されます。
リコール情報は公式サイトやディーラーでの確認が可能で、安全なドライブのためにも、定期的なチェックが必要です。
ユーザーからの不満点
パサートヴァリアントは多くの特長を持つ一方、ユーザーからのフィードバックによりいくつかの不満点も浮かび上がっています。
特に、修理費用の高さや部品の入手困難さが挙げられることが多いです。
加えて、フォルクスワーゲンの正規ディーラーネットワークが日本車メーカーと比較して圧倒的に少ないため、メンテナンスの際にはこの点を考慮する必要があります。
これらの要因を総合的に判断し、購入を検討する際には十分な情報収集と検討が求められます。
パサートヴァリアントはなぜ安い?今が買いである
画像引用:carview
- 今が買い時の理由
- 子育て世代に最適な理由
- パサートヴァリアントの歴代モデル
- パサートヴァリアント中古車の注意点
- パサートヴァリアントのおすすめグレード
- 実際のユーザーの声に基づく評価
今が買い時の理由
パサートヴァリアントは、その高い品質と機能性を持ちながら、中古車市場では非常に魅力的な価格帯で取引されています。
その主な理由は、新車時の価格が高いため、一度市場に出ると急速に価格が下がる傾向にあるからです。
加えて、最近のモデルは燃費や安全性能の向上が見られ、これらの高性能なモデルが中古市場に流通することで、購入者にとっては非常にコストパフォーマンスが高い選択となります。
また、フォルクスワーゲンの独特のデザインや走行性能は、多くのカーエンスージアストから支持を受けています。
しかし、新車価格の高さや維持費の問題で手が出しにくいと感じる方も少なくありません。
このような背景から、中古車としてのパサートヴァリアントは、新車時の性能を維持しつつ、手頃な価格での購入が可能となっています。
これらの要因を総合的に考慮すると、現在がパサートヴァリアントを手に入れる絶好のタイミングであると言えるでしょう。
子育て世代に最適な理由
子育て中の家族にとって、車は日常の移動やレジャーに欠かせない存在となります。
パサートヴァリアントは、そのニーズに応えるための特長を多数備えています。
特筆すべきは、その広々とした室内空間。
後席の足元スペースは上級クラスのステーションワゴンと比較しても遜色なく、荷室容量は650~1780Lとクラス最大級を誇ります。
これにより、ベビーカーや大量の荷物も楽々と積載することが可能です。
さらに、ISOFIX対応のチャイルドシートを安全に取り付けることができるため、お子様の安全性も確保されています。
これらの特長により、子育て世代の日常生活をサポートする信頼のパートナーとして、パサートヴァリアントは高い評価を受けています。
パサートヴァリアントの歴代モデル
パサートヴァリアントは、長い歴史を持つフォルクスワーゲンの代表的なステーションワゴンとして知られています。
1990年に初代が発売されて以来、数多くのモデルチェンジを経て、現在までに4代のモデルが登場しています。
それぞれの世代には、その時代の最先端技術やデザインが取り入れられ、独自の魅力を持っています。
1代目パサートヴァリアント(1990年~)は、そのデビューからフォルクスワーゲンのステーションワゴンとしての地位を築き上げました。
2代目(2006年~)は、さらに洗練されたデザインと機能性で人々を魅了しました。
3代目(2011年~)では、先進の安全技術や環境性能が強化され、4代目(2015年~現行モデル)は、最新のテクノロジーやデザインが導入され、高い評価を受けています。
特に、2015年モデルは燃費性能が高く、2018年モデルでは安全性能の向上が注目されています。
これらのモデルチェンジは、新しい技術やデザインの導入を通じて、古いモデルとの競争力を高めるために行われてきました。
その結果、パサートヴァリアントは、その各世代での独自の特徴と魅力を持ち続けています。
パサートヴァリアント中古車の注意点
中古車を購入する際、特にパサートヴァリアントに関しては、リコール情報を確認することが不可欠です。
2019年4月にフォルクスワーゲンジャパンは、特定のモデルにおいて燃料タンクの問題によるリコールを発表しています。
具体的には、燃料タンクに取り付けられたゲージ付き燃料ポンプに問題があり、外気温の影響で燃料タンクが膨張する可能性が指摘されています。
このようなリコール情報は、中古車購入の際に重要な判断材料となるため、事前にディーラーや公式情報を確認し、必要な改善措置が施された車両を選ぶことが推奨されます。
また、車の試乗を欠かさず、走行性能や内外装の状態をしっかりとチェックすることで、安心して中古車を手に入れることができます。
パサートヴァリアントのおすすめグレード
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パサートヴァリアントは多彩なグレードを展開しており、中でも「TSI ハイライン」は上級グレードとしての魅力を十二分に発揮しています。
このグレードは、豪華な装備が標準となっており、例として、高品質なレザーシートが採用されています。
また、ホイール径は17インチが基本ですが、18インチへのオプション選択も可能です。
インフォテインメントシステムとしては、Discover Proが搭載されています。
これらの装備の充実度から、コストパフォーマンスの観点でも非常に魅力的な選択となります。
もちろん、最終的な選択は車両のコンディションや個人の好みによるものですが、装備の豊富さを求めるならば「TSI ハイライン」は外せない選択肢と言えるでしょう。
実際のユーザーの声に基づく評価
パサートヴァリアントのオーナーからのフィードバックをもとに、以下の特徴や評価が挙げられています。
- デザイン: 要所に丁寧でエッジの効いたプレスラインが走り、クロームやLEDの使い方も非常にセンスが良く、質感の高さはかなりのものです。
- 実用性: トランク下の昔の予備タイヤのスペースにも荷物を積めるので、ルーフボックス無しで夫婦で車中泊旅行が出来ました。
- 走行性能: ディーゼルにしては回して楽しいスポーティなフィールです。足回りは仏車と独車の良いとこどりと言った印象。
- 燃費: 巡航時の2気筒休止システムの恩恵でゴルフよりも燃費がいい。具体的には、長距離では20km/L超、街乗りでは17km/L程度を記録。
- 総評: 日本ではあまり注目されていない車種ですが、隠れた名車と言っても良いとの声も。知る人ぞ知る良い車に、所有欲は満たされることと思います。
これらの評価やコメントは、実際のユーザーの経験に基づいており、パサートヴァリアントの魅力や特徴をより具体的に理解する手助けとなります。
実燃費の実証データ
パサートヴァリアントの燃費性能は、実際の道路走行テストにおいても高い評価を受けています。
具体的には、JC08モードにおける燃費テストでは、1.4L TSIエンジン搭載のモデルで20.4km/L、2.0L TSIガソリンエンジン搭載のモデルでは15.0km/L、さらに2.0L TDIクリーンディーゼルエンジン搭載のモデルでは驚異の20.6km/Lを記録しています。
これらの数値は、同クラスの他車種と比較しても非常に優れたものであり、日常のドライブから長距離のドライブまで、経済的な走行を実現します。
パサートヴァリアントの基本スペック
フォルクスワーゲン パサートヴァリアントの基本スペックは以下の通りです。
パサートヴァリアント 基本スペック(グレード:TSI エレガンスアドバンス) | |
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ボディタイプ | ワゴン |
ドア数 | 5ドア |
乗員定員 | 5名 |
型式 | 3BA-3CDPC |
全長×全幅×全高 | 4785×1830×1510mm |
ホイールベース | 2790mm |
トレッド前/後 | 1580/1560mm |
車両重量 | 1500kg |
エンジン型式 | DPC |
最高出力 | 150ps(110kW)/5000~6000rpm |
最大トルク | 25.5kg・m(250N・m)/1500~3500rpm |
エンジン種類 | 直列4気筒DOHC16バルブICターボ |
総排気量 | 1497cc |
燃料タンク容量 | 66リットル |
使用燃料 | 無鉛プレミアムガソリン |
WLTCモード燃費 | 15km/リットル |
タイヤサイズ(前) | 235/45 R18 |
タイヤサイズ(後) | 235/45 R18 |
最小回転半径 | 5.4m |
総括
記事のポイントをまとめます。
- パサートヴァリアントは、新車価格と比較して中古車価格が非常にリーズナブル
- マイナーチェンジの度に旧モデルの価格が相対的に下がる
- 2018年モデルと2019年モデルの間で約50万円の価格差が確認
- フォルクスワーゲンの正規ディーラーネットワークが日本国内で少ない
- ディーラーネットワークの少なさが中古車価格に影響
- 日本の自動車市場では特定の車種やカテゴリーへの需要が集中
- パサートヴァリアントの需要は特定のニーズを持つユーザーに限定的
- パサートヴァリアントの中古車市場の登録台数は約250台
- 新車時の価格が高いため、市場に出ると急速に価格が下がる傾向
- 最近のモデルは燃費や安全性能の向上が見られる
- 現行型の中古車は総額160万円から、走行距離1万km未満の高年式物件でも総額400万円程度から取引
- 2015年式ヴァリアントの新車価格と比較すると、中古車市場では半額近くでの取引が可能