「ラブラドールレトリバーとゴールデンレトリバー、どっちも賢くて可愛いけど、ラブラドールレトリバーとゴールデンレトリバーの違いって具体的に何だろう?」
「見た目は似てるけど、性格や飼いやすさは違うのかな?」
「もし家族に迎えるなら、うちにはどっちが合っているんだろう…?」
大型犬の中でも特に人気の高いラブラドールとゴールデン。どちらも魅力的だからこそ、いざ選ぶとなると迷ってしまいますよね。大切な家族の一員になる子だから、見た目だけでなく、性格や日々のお世話、将来のことまでしっかり考えて、後悔しない選択をしたい――そのお気持ち、とてもよく分かります。
この記事では、そんなあなたの疑問や悩みに寄り添い、「ラブラドールレトリバーとゴールデンレトリバーの違い」を徹底的に、そして分かりやすく解説します。
単に違いを羅列するだけでなく、見た目の比較(被毛、毛色、体格)から、性格の共通点とそれぞれの傾向、さらには歴史的背景、そして飼い方(必要な運動量、お手入れ方法、かかりやすい病気)まで、あなたが知りたい情報を網羅的にまとめました。
この記事を最後まで読めば、漠然としていた両犬種の違いがクリアになり、それぞれの魅力と注意点を深く理解できます。そして、「うちにはこの子だ!」と、自信を持ってあなたとご家族にぴったりのパートナーを見つけるための一歩を踏み出せるはずです。
- 見た目の違い(毛質・色・体格)と性格の共通点・傾向
- 必要な運動量やお手入れ方法、飼育上の注意点
- かかりやすい病気の種類と健康寿命を延ばすケア方法
- 自分の生活や好みに合う犬種を選ぶための判断材料
ラブラドールレトリバーとゴールデンレトリバーの違い:見た目・性格編

ラブラドールレトリバーとゴールデンレトリバーは、どちらも賢く人懐っこい性格で、大型犬の中でも特に人気の高い犬種です。名前も似ていて、ぱっと見の雰囲気もよく似ているため、「どこが違うの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。しかし、実はそれぞれ異なる歴史を持ち、外見や性格にもはっきりとした違いがあります。
この記事では、まずラブラドールレトリバーとゴールデンレトリバーの「見た目」と「性格」の違いに焦点を当てて、それぞれの特徴を詳しく解説していきます。読み進めていただくことで、両犬種の魅力とともに、具体的な違いが明確になるはずです。
どちらの犬種がご自身の好みやライフスタイルに合っているか、考えるヒントにしてください。
- 見た目の違い ゴールデンとラブを比較
- 被毛の違い 長毛のゴールデンと短毛のラブ
- 毛色の違い ゴールド系と3色のラブ
- 体格の違い 大きさはほぼ同じ?
- 性格の共通点 どちらもフレンドリー
- 性格の違い ゴールデンは穏やか?ラブは活発?
- 歴史とルーツの違い イギリスとカナダ
見た目の違い ゴールデンとラブを比較
ラブラドールレトリバー(以下、ラブ)とゴールデンレトリバー(以下、ゴールデン)の見た目を比較すると、最も分かりやすい違いは被毛の長さですが、他にも毛色や体つき、顔つきにもそれぞれ特徴があります。一見すると、特にイエローのラブとゴールデンは非常によく似ていますが、細部を観察すると明確な違いが見えてきます。
これらの外見的な違いは、それぞれの犬種が誕生した背景や、もともと得意としていた役割が異なることに由来します。例えば、ラブはカナダの冷たい水中で漁師の手伝いをしていたため、水を弾きやすく手入れのしやすい短毛が発達しました。一方、ゴールデンはイギリスで水鳥猟の回収犬として活躍したため、保温性と優雅さを兼ね備えたやや長めの被毛を持つようになったと考えられています。
具体的に見ていきましょう。まず被毛ですが、ゴールデンは長毛種で、毛先はストレートか少しウェーブがかかっています。特に首周りや尾、四肢の後ろ側には豊かな飾り毛が見られます。触り心地は柔らかく、光沢があるのが特徴です。対してラブは短毛種で、硬く密生した毛質をしています。水をよく弾くダブルコートですが、ゴールデンのような長い飾り毛はありません。
次に毛色です。ゴールデンはその名の通り、ゴールド系の色調のみが認められています。クリーム色に近い淡い色から、濃いゴールドまで色の幅はありますが、基本的には明るい暖色系です。一方、ラブの毛色はブラック、イエロー、チョコレート(レバー)の3色が基本です。イエローの中にはゴールデンに近い色合いの子もいますが、ブラックやチョコレートはラブ特有のカラーと言えます。
体つきについては、どちらも筋肉質でがっしりとした体型ですが、骨格や全体の印象にわずかな違いがあります。標準的な体高や体重は実はほとんど変わりません。しかし、ゴールデンの方がやや優雅で流線形な印象を与え、ラブはより骨太で力強い、実用的な体つきに見える傾向があります。
顔つきにも違いが見られます。ゴールデンはやや丸みを帯びたマズル(鼻口部)で、全体的に優しい表情をしています。ラブはゴールデンに比べるとマズルがやや太く、角ばった印象を受けることが多いでしょう。頭蓋骨の形にも微妙な違いがあるとされています。
このように、ラブとゴールデンは似ているようで、細部には明確な違いが存在します。これらの外見的特徴を知ることで、より深く両犬種の魅力を理解できるでしょう。
被毛の違い 長毛のゴールデンと短毛のラブ
ゴールデンレトリバーとラブラドールレトリバーの見た目における最も顕著な違いは、被毛の長さです。ゴールデンレトリバーは長毛種、ラブラドールレトリバーは短毛種に分類されます。この違いは、それぞれの犬種が持つ魅力や、日々のお手入れ方法にも大きく関わってきます。
まず、ゴールデンレトリバーの被毛は、長く豊かで、ストレートまたは少しウェーブがかっているのが特徴です。特に首周り、胸、尾、四肢の後ろ側には「飾り毛」と呼ばれる美しい毛が生えています。触り心地は柔らかく、光沢があり、優雅な印象を与えます。この長い被毛は、もともと冷たい水中で活動するために発達したダブルコート(上毛と下毛の二層構造)で、保温性に優れています。しかし、その分、毛が絡まりやすく、毛玉ができやすいため、毎日の丁寧なブラッシングが欠かせません。特に換毛期には多くの抜け毛があります。
一方、ラブラドールレトリバーの被毛は、短く、硬くて密集しています。触ると少しざらっとした感触があるかもしれません。ラブもゴールデンと同様にダブルコートで、耐水性に優れた下毛が密生しています。このため、泳ぎが得意で、水辺での活動に適しています。短毛なのでゴールデンのような長い飾り毛はなく、比較的お手入れは楽に感じるかもしれません。しかし、短毛とはいえ抜け毛は多く、特に春と秋の換毛期には驚くほど毛が抜けることがあります。そのため、ラブの場合も定期的なブラッシングは必要不可欠です。
このように、被毛の長さと質の違いは、見た目の印象だけでなく、必要なお手入れの手間にも影響します。ゴールデンの美しい長毛を保つにはこまめなケアが必要であり、ラブの短毛も抜け毛対策が重要となります。
毛色の違い ゴールド系と3色のラブ

被毛の長さと並んで、ゴールデンレトリバーとラブラドールレトリバーを区別する大きなポイントが毛色のバリエーションです。それぞれの犬種で認められている毛色が異なります。
ゴールデンレトリバーは、その名前が示す通り、ゴールド系の色調のみがスタンダードとして認められています。色の濃淡には幅があり、明るいクリーム色から豊かなゴールド、やや濃いめのダークゴールドまで様々です。どの色合いも温かみがあり、光沢のある美しい被毛と相まって、上品で優しい印象を与えます。個体によって色の濃さは異なりますが、ブラックやチョコレートといった色は存在しません。胸にわずかな白い差し毛が入ることは許容されています。
対して、ラブラドールレトリバーの基本的な毛色は、ブラック(黒)、イエロー(黄色)、チョコレート(茶色、レバーとも呼ばれる)の3色です。どの色も単色であることが基本で、胸に小さな白い斑(メダルと呼ばれることも)が入ることがあります。
ブラックは、ラブの代表的なカラーであり、艶やかな黒色が力強い印象を与えます。
イエローは、クリーム色に近い淡い色から、キツネのような赤みがかった色(フォックスレッド)まで幅があります。このイエローのラブは、ゴールデンレトリバーと見間違われることもありますが、被毛の長さで見分けることができます。
チョコレートは、深みのある茶色で、個性的で温かみのある雰囲気を持っています。
このように、ゴールデンはゴールド系の単一色調であるのに対し、ラブはブラック、イエロー、チョコレートという明確に異なる3つのカラーバリエーションを持っています。毛色でどちらの犬種か判断する際は、まずブラックやチョコレートであればラブ、ゴールド系であればゴールデンかイエローのラブの可能性が高い、と考えることができます。最終的には被毛の長さと合わせて判断するのが確実です。
体格の違い 大きさはほぼ同じ?
ゴールデンレトリバーとラブラドールレトリバーは、どちらも大型犬に分類され、がっしりとした体つきをしています。では、実際の大きさには違いがあるのでしょうか?結論から言うと、犬種標準(スタンダード)で定められている体高や体重の数値には、実は大きな差はありません。
一般的に、犬種標準によると、
- ゴールデンレトリバー
オス体高58.4~61cm、体重29.5~34kg。メス体高54.6~57.2cm、体重24.9~29.5kg。 - ラブラドールレトリバー
オス体高57.2~62.2cm、体重29.5~36.3kg。メス体高54.6~59.7cm、体重24.9~31.8kg。
(※数値は主要なケネルクラブの標準に基づく目安です)
このように、数値上はラブの方がわずかに大きい範囲を含むこともありますが、ほぼ同等のサイズ感と言って良いでしょう。どちらも筋肉質で、しっかりとした骨格を持っています。
しかし、数値だけでは分からない体つきの印象には、若干の違いが見られることがあります。ゴールデンレトリバーは、その優雅な被毛も相まって、全体的にやや流線的でバランスの取れた、洗練された印象を与えることが多いです。一方、ラブラドールレトリバーは、より骨太で筋肉質な、実用性を感じさせる力強い体つきに見える傾向があります。特に胸部ががっしりしており、活動的な印象を強く受けます。
もちろん、これらはあくまで一般的な傾向であり、個体差も大きいです。同じ犬種の中でも、血統や飼育環境によって体格にはばらつきが出ます。また、近年ではアメリカ系とイギリス系といったタイプの違いによっても体格差が見られることがあります。
したがって、「体格の違い」という点においては、標準的なサイズはほぼ同じであるものの、全体のシルエットや筋肉のつき方など、細かな部分での印象の違いがある、と理解しておくと良いでしょう。どちらの犬種も、大型犬としての存在感と、しっかりとした体格を持っている点は共通しています。
性格の共通点 どちらもフレンドリー

ゴールデンレトリバーとラブラドールレトリバーは、見た目だけでなく性格にも多くの共通点があり、それが両犬種が世界中で愛される理由となっています。最も代表的な共通点は、非常にフレンドリーで人懐っこいことです。
どちらの犬種も、明るく陽気で、人間と一緒にいることを喜びます。家族に対して深い愛情を示し、忠実であるため、素晴らしい家庭犬となります。社交性が高く、見知らぬ人に対しても警戒心より好奇心が勝ることが多く、尻尾を振って歓迎するような姿がよく見られます。そのため、番犬としての適性はあまり高くないと言われることもあります。
また、非常に賢く、学習能力が高い点も共通しています。飼い主の指示を理解し、トレーニングにも意欲的に取り組みます。この知能の高さと、人間を喜ばせたいという気持ちが強いため、しつけがしやすい犬種とされています。実際に、盲導犬、介助犬、警察犬、災害救助犬など、様々な分野で使役犬として活躍していることからも、その賢さと作業能力の高さがうかがえます。
穏やかで精神的に安定していることも、大きな共通点です。むやみに興奮したり、攻撃的になったりすることが少なく、忍耐強い面も持っています。このため、小さな子供や他のペットとも比較的安全に接することができます。もちろん、個体差や適切なしつけは必要ですが、多頭飼いや子供のいる家庭にも適していると言われることが多いです。
このように、ゴールデンレトリバーとラブラドールレトリバーは、人懐っこさ、賢さ、穏やかさといった、家庭犬として理想的な性格を多く共有しています。どちらの犬種を選んだとしても、愛情深く、信頼できる家族の一員となってくれる可能性が高いでしょう。
性格の違い ゴールデンは穏やか?ラブは活発?
多くの共通点を持つゴールデンレトリバーとラブラドールレトリバーですが、性格にはそれぞれ微妙な違いや傾向も見られます。どちらかというと、ゴールデンレトリバーの方がより穏やかで感受性が豊か、ラブラドールレトリバーの方がより活発でエネルギッシュと言われることが多いです。
ゴールデンレトリバーは、非常に優しく、落ち着いた気質を持つ傾向があります。飼い主の気持ちを敏感に察知し、寄り添うような共感力の高さが特徴です。自分より小さな子供や他の犬と接する際には、相手に合わせて優しく振る舞うことができると言われています。人懐っこい点はラブと共通ですが、ゴールデンの方がやや繊細で、愛情深い甘えん坊な一面が強く見られるかもしれません。知能の高さはラブと同様ですが、穏やかな性格ゆえに、トレーニングでは根気強さが必要な場面もあるかもしれません。
一方、ラブラドールレトリバーは、陽気で遊び好き、非常にエネルギッシュな性格が特徴です。好奇心旺盛で、体を動かすことを何よりも喜びます。人に喜ばれることが大好きで、トレーニングや作業にも意欲的に取り組みます。盲導犬として活躍する姿から落ち着いたイメージを持たれがちですが、実は若犬の頃は特にやんちゃで、有り余るエネルギーを発散させるための十分な運動が不可欠です。ラブはゴールデンに比べて、やや頑固な一面を見せることがあるとも言われています。しかし、その作業意欲の高さと判断力は、使役犬としての活躍にも繋がっています。
また、毛色によって性格が異なると言われることもあります。ラブの場合、イエローは比較的落ち着いており、ブラックやチョコレートはより活発な傾向があるという説があります。ゴールデンの場合も、イギリス系(白っぽい毛色)はおとなしく、アメリカ系(濃い毛色)は明るく好奇心旺盛とされることがあります。ただし、これらは科学的根拠が明確ではなく、個体差や育った環境の影響の方が大きいため、あくまで参考程度に考えるのが良いでしょう。
このように、基本的な性格は似ていますが、ゴールデンは「穏やかさ・感受性」、ラブは「活発さ・エネルギー」がより際立つ傾向があると言えます。
歴史とルーツの違い イギリスとカナダ
ゴールデンレトリバーとラブラドールレトリバーは、名前や見た目が似ているため、近縁の犬種だと思われがちですが、実は生まれた国も背景も全く異なります。それぞれの歴史を知ることで、犬種の特徴への理解がより深まります。
まず、ゴールデンレトリバーの原産国はイギリス(スコットランド)です。19世紀半ば、スコットランドの貴族であるダドリー・マージョリーバンクス卿(後のツイードマス卿)が、自身の領地で狩猟に適した犬を作出しようとしたのが始まりとされています。彼は、当時存在したウェービー・コーテッド・レトリーバーの黄色い子犬「ヌー」を基礎に、ツイード・ウォーター・スパニエル(現在は絶滅)やアイリッシュ・セッター、ブラッドハウンドなどを計画的に交配させ、優れた回収能力と美しい金色の被毛を持つ犬種を作り上げました。貴族のスポーツとしての水鳥猟で、撃ち落とした獲物を傷つけずに回収する役割を担っていました。
一方、ラブラドールレトリバーの原産国はカナダです。その祖先は、カナダ東部のニューファンドランド島で、漁師たちと共に働いていたセント・ジョンズ・ウォーター・ドッグ(またはセント・ジョンズ・レトリーバー)と呼ばれる犬だと考えられています。これらの犬は、泳ぎが得意で、冷たい水の中でも網からこぼれた魚を回収したり、ロープを運んだりといった漁の仕事を手伝っていました。生活の糧を得るための、より実用的な役割を担っていたのです。その後、19世紀にイギリスに持ち込まれ、他のレトリバー種などと交配されて改良が進み、現在のラブラドールレトリバーとして確立されました。名前の由来は、近くの「ラブラドール半島」にちなむという説が有力です。
このように、ゴールデンはイギリスの貴族によって狩猟のパートナーとして、ラブはカナダの漁師によって仕事のパートナーとして、それぞれ異なる目的と環境のもとで育まれてきました。どちらも「レトリーバー(回収犬)」としての優れた能力を持っていますが、その成り立ちの違いが、被毛の質や性格の微妙な差異にも影響を与えているのかもしれません。
ラブラドールレトリバーとゴールデンレトリバーの違い:飼い方・選び方編

前のセクションでは、ラブラドールレトリバーとゴールデンレトリバーの見た目や性格の違いについて詳しく見てきました。どちらも魅力的な犬種ですが、実際に家族として迎えるとなると、飼い方の違いや注意点、そしてどちらが自分の生活に合っているのかが気になりますよね。
この記事の後半では、具体的な「飼い方」と「選び方」に焦点を当てて解説します。必要な運動量やお手入れの方法、気をつけたい病気、そして最終的にどちらの犬種を選ぶべきか、判断するためのポイントなどを紹介していきます。
これからレトリバーとの生活を考えている方にとって、最適なパートナーを見つけるための実践的な情報となるはずです。
- 飼いやすさ比較 どちらが初心者向き?
- 必要な運動量とおすすめの遊び方
- 抜け毛の違いとケア方法
- 平均寿命と健康面での注意点
- かかりやすい病気 それぞれの注意点
- ラブラドールレトリバーを飼ってはいけないと言われる理由
- 人気のミックス犬「ゴールデンラブラドール」とその愛称
- あなたに合うのはどっち?選ぶ際のポイント
- ラブラドールレトリバーとゴールデンレトリバーの違いを総括
飼いやすさ比較 どちらが初心者向き?
ゴールデンレトリバーとラブラドールレトリバー、どちらも賢く人懐っこいため、基本的なしつけはしやすい犬種と言えます。しかし、「どちらが初心者にとって飼いやすいか」と問われると、一概に断定するのは難しいのが正直なところです。なぜなら、それぞれに飼いやすさのメリットと、注意すべきデメリットがあるからです。
まず、共通して飼いやすいとされる点は、やはりその賢さと訓練性能の高さです。人間を喜ばせたいという気持ちが強く、物覚えも良いため、根気よく教えれば様々なことを習得してくれます。また、穏やかで社交的な性格は、家庭犬として非常に大きな魅力です。
一方で、犬種ごとの特徴を見てみましょう。
ゴールデンレトリバーは、比較的穏やかで落ち着いた性格の傾向があり、成犬になるとゆったりと過ごす時間も増えるかもしれません。この点は、初めて大型犬を飼う方にとって安心材料になる可能性があります。しかし、長毛のお手入れは必須です。毎日のブラッシングを怠ると毛玉ができやすく、皮膚トラブルの原因にもなりかねません。抜け毛も非常に多いため、掃除の手間もかかります。また、暑さに弱い点も考慮が必要です。
ラブラドールレトリバーは、短毛でお手入れが比較的楽な点はメリットと言えるでしょう。しかし、非常に活発でエネルギー量が多いため、毎日の十分な運動が欠かせません。特に若い頃はやんちゃな子が多く、有り余るエネルギーを発散できないと、いたずらなどの問題行動につながることもあります。また、食欲旺盛で太りやすい傾向があるため、食事管理も重要です。やや頑固な一面を見せることもあるかもしれません。
さらに、どちらの犬種にも共通する注意点として、大型犬であるという事実があります。力が強く、広い飼育スペースが必要です。食事代や医療費も小型犬に比べて高額になります。子犬の頃はどちらも非常にやんちゃで、家具などを壊してしまう可能性も覚悟しておく必要があります。そして何より、しっかりとしたしつけが不可欠です。
結論として、手入れの手間を少しでも減らしたいならラブ、比較的落ち着いた性格(成犬時)を望むならゴールデン、という見方もできます。しかし、それ以上に飼い主自身のライフスタイル(運動時間を確保できるか、手入れに時間をかけられるか、住環境など)や、犬の個体差が大きく影響します。どちらを選ぶにしても、大型犬を迎える責任と覚悟を持ち、十分な情報収集と準備をすることが、初心者にとって最も重要なことと言えるでしょう。
必要な運動量とおすすめの遊び方
ラブラドールレトリバーもゴールデンレトリバーも、元々は猟犬として活躍していた犬種であり、非常に多くの運動量を必要とします。体力があり、体を動かすことが大好きなため、毎日の散歩や遊びを通じてエネルギーを発散させてあげることが、心身の健康維持に不可欠です。運動不足はストレスの原因となり、無駄吠えやいたずらといった問題行動につながる可能性もあります。
具体的には、1日に2回、それぞれ最低でも1時間程度の散歩を目安にすると良いでしょう。ただ歩くだけでなく、時には早歩きを取り入れたり、コースを変えたりして、単調にならないように工夫することも大切です。特にラブラドールレトリバーはゴールデンレトリバーよりもさらに活発でエネルギッシュな傾向があるため、より多くの運動を必要とする場合があります。
散歩に加えて、一緒に楽しめる遊びを取り入れることもおすすめです。どちらの犬種も「レトリーバー(回収犬)」としての本能を持っているので、ボールやフリスビーを使った「持ってこい」遊びは大変喜びます。広い公園やドッグランなどで思い切り走らせてあげるのも良いでしょう。また、水遊びが非常に得意な犬種なので、夏場には安全な川や湖、犬用プールなどで泳がせてあげるのも素晴らしい運動になります。
さらに、賢い犬種なので、知的な欲求を満たす遊びも効果的です。おやつを隠して探させるノーズワークや、簡単なトリック(芸)を教えるトレーニングなども、良い刺激となり、飼い主との絆を深めることにも繋がります。
ただし、必要な運動量は、犬の年齢、健康状態、個々の性格によって異なります。子犬の時期は骨や関節が発達途中なので過度な運動は避け、シニア期に入ったら体に負担がかからない程度の運動に調整するなど、愛犬の様子をよく観察しながら適切な運動量を心がけることが重要です。
抜け毛の違いとケア方法

ラブラドールレトリバーもゴールデンレトリバーも、ダブルコートと呼ばれる二層構造の被毛を持っているため、どちらも抜け毛が多い犬種です。特に春と秋の換毛期には、驚くほどの量の毛が抜けます。しかし、被毛の長さと質が異なるため、日常のケア方法には違いがあります。
まず、ゴールデンレトリバーは長毛種であり、その美しく豊かな被毛を保つためには毎日のブラッシングが欠かせません。長い毛は絡まりやすく、放置すると毛玉になってしまいます。毛玉は見た目が悪いだけでなく、皮膚の通気性を悪くし、蒸れて皮膚炎などのトラブルを引き起こす原因にもなります。ブラッシングには、毛のもつれをほぐすスリッカーブラシやピンブラシ、仕上げに使うコーム(櫛)などを使い分けると良いでしょう。特に、耳の後ろ、脇の下、内股、飾り毛の部分は毛玉ができやすいので、念入りにケアする必要があります。シャンプーは月に1回程度が目安ですが、長い毛をしっかりと乾かすことが重要です。
一方、ラブラドールレトリバーは短毛種なので、ゴールデンほど毛が絡まる心配は少ないですが、抜け毛の量は非常に多いです。特に換毛期には、家の中が毛だらけになることも覚悟しておきましょう。短毛ですが密集しているため、定期的なブラッシングで死毛(抜け毛)を取り除いてあげることが大切です。ブラッシングには、皮膚を傷つけにくいラバーブラシや、下毛(アンダーコート)をごっそり取り除けるファーミネーターなどが効果的です。ブラッシングは皮膚へのマッサージ効果も期待でき、血行促進にもつながります。シャンプーはゴールデンと同様、月に1回程度で十分です。
どちらの犬種も、ブラッシングは単に被毛を清潔に保つだけでなく、皮膚の状態をチェックしたり、愛犬とのコミュニケーションを図ったりする大切な時間です。抜け毛が多い犬種なので、部屋の掃除もこまめに行う必要があります。適切なケアを行い、愛犬も飼い主も快適に過ごせるようにしましょう。
平均寿命と健康面での注意点
ラブラドールレトリバーとゴールデンレトリバーの平均寿命は、一般的に10歳から12歳前後と言われています。これは大型犬全体の平均的な寿命の範囲内です。もちろん、個体差や飼育環境、健康管理によって寿命は大きく変わってきます。愛犬に少しでも長く、健康で快適な生活を送ってもらうためには、日々の健康管理が非常に重要になります。
まず、適切な食事管理が基本です。特にラブラドールは食欲旺盛で太りやすい傾向があるため、肥満に注意が必要です。肥満は関節への負担を増やし、心臓病や糖尿病などのリスクも高めます。年齢や活動量に合わせた質の良いフードを適量与え、おやつの与えすぎにも気をつけましょう。
次に、十分な運動も欠かせません。前の見出しで述べたように、毎日の散歩や遊びでエネルギーを発散させ、適切な筋肉量を維持することが健康につながります。ただし、過度な運動は関節を痛める原因にもなるため、愛犬の状態に合わせた調整が必要です。
定期的な健康診断も非常に大切です。特に大型犬は、症状が現れにくい病気や、進行が早い病気もあります。年に1~2回は動物病院で健康チェックを受け、病気の早期発見・早期治療に努めましょう。ワクチン接種やノミ・ダニ予防なども忘れずに行う必要があります。
また、日々の観察も重要です。食欲や元気はあるか、排泄物の状態はどうか、歩き方におかしな点はないかなど、普段から愛犬の様子をよく見て、少しでも変化があれば早めに獣医師に相談することが大切です。
その他、口腔ケア(歯磨き)による歯周病予防、快適な生活環境(適切な温度管理、滑りにくい床材の使用など)、ストレスを与えないような接し方なども、健康寿命を延ばすためには重要な要素です。愛情を持って日々のケアを行い、愛犬の変化に気を配ることが、長く一緒に過ごすための鍵となります。
かかりやすい病気 それぞれの注意点
ラブラドールレトリバーとゴールデンレトリバーは、どちらも比較的丈夫な犬種ですが、大型犬特有の病気や、それぞれの犬種がかかりやすいとされる遺伝的な病気があります。これらの病気について事前に知っておき、早期発見や予防に努めることが大切です。
両犬種に共通して注意が必要な病気としては、まず股関節形成不全や肘関節形成不全といった関節疾患が挙げられます。これは成長期に関節がうまく形成されない病気で、遺伝的な要因が大きいとされていますが、成長期の急激な体重増加や過度な運動も影響します。歩き方がおかしい(腰を振る、うさぎ跳びのような走り方)、運動を嫌がる、立ち上がりにくそうにするなどの症状が見られたら注意が必要です。適切な体重管理と運動、滑りにくい床環境などが予防につながります。
また、大型犬に多い胃拡張・胃捻転症候群も命に関わる緊急性の高い病気です。食後に胃がガスで膨れ上がり、ねじれてしまう状態で、急激にお腹が張る、吐こうとしても吐けない、苦しそうにするなどの症状が現れます。早食いや食後すぐの激しい運動がリスクを高めるため、食事は1日数回に分け、食後は安静にさせることが予防策となります。
悪性腫瘍(がん)も注意が必要です。特にゴールデンレトリバーは、他の犬種に比べてがんの発症率が高いことが知られています。骨肉腫やリンパ腫、血管肉腫などが比較的多く見られます。体にできものがないか、足を引きずるなどの痛みのサインがないか、日頃からチェックし、定期的な健康診断を受けることが早期発見につながります。
その他、ゴールデンレトリバーでは、皮膚疾患(アレルギー性皮膚炎など)、心臓疾患、眼の病気(白内障、進行性網膜萎縮症など)にも注意が必要です。ラブラドールレトリバーでは、肥満に伴う様々な病気、外耳炎(垂れ耳で蒸れやすいため)、皮膚疾患(アトピー性皮膚炎など)が比較的多く見られます。
これらの病気のリスクを完全に無くすことはできませんが、信頼できるブリーダーから遺伝的疾患のリスクが少ない子犬を迎えること、日々の適切な飼育管理(食事、運動、ケア)、そして定期的な健康診断によって、発症を予防したり、早期に発見して対処したりすることが可能です。
ラブラドールレトリバーを飼ってはいけないと言われる理由

ラブラドールレトリバーは賢く、人懐っこい性格で人気の犬種ですが、インターネットなどで「ラブラドールレトリバーを飼ってはいけない」という言葉を目にすることがあります。これは決してラブが悪い犬種だという意味ではなく、飼育する上で大変な側面があり、十分な覚悟と準備なしに飼い始めると後悔する可能性があるため、注意喚起として使われる表現です。
その理由として、まず挙げられるのが圧倒的な運動量の多さです。ラブは非常にエネルギッシュな犬種で、もともと猟犬として活躍していた背景もあり、体を動かすことが大好きです。そのため、毎日最低でも1時間の散歩を2回は必要とし、時にはドッグランなどで思い切り走らせる機会も設けるのが理想です。この運動量を確保できないと、ストレスから吠えたり、物を壊したりといった問題行動につながる可能性があります。体力と時間に余裕がないと、日々の散歩が大きな負担になりかねません。
次に、特に若犬の頃のやんちゃさも理由の一つです。好奇心旺盛で力が強く、遊びたい盛りには家の中の物を噛んだり、引っ張り出したりすることがあります。大型犬なので、そのパワーも相当なものです。しっかりとしたしつけと、危険なものや壊されたくないものを片付けるなどの環境整備が不可欠です。根気強く向き合う覚悟が必要となります。
また、食欲が非常に旺盛で太りやすい点も注意が必要です。食べることが大好きで、与えれば与えるだけ食べてしまう傾向があります。肥満は関節疾患や様々な病気のリスクを高めるため、厳格な食事管理が求められます。おやつの与えすぎや盗み食いにも気を配らなければなりません。
さらに、大型犬ならではの大変さも伴います。広い飼育スペースの確保、小型犬に比べて高額になる食費や医療費、力の強さゆえのしつけの重要性、そして老犬になった際の介護の問題など、長期的な視点での覚悟が必要です。
これらの点を総合すると、ラブを飼うには十分な時間、体力、経済力、そして犬と向き合う根気と愛情が不可欠です。これらの条件を満たせない可能性がある場合、飼育が困難になることから「飼ってはいけない」という強い言葉で表現されることがあるのです。しかし、これらの特性を理解し、適切に対応できる環境であれば、ラブは最高の家族の一員となってくれる素晴らしい犬種です。
人気のミックス犬「ゴールデンラブラドール」とその愛称
近年、異なる純血種同士を交配させた「ミックス犬(デザイナーズドッグとも呼ばれる)」が人気を集めていますが、その中でもゴールデンレトリバーとラブラドールレトリバーのミックス犬は特に注目されています。このミックス犬は、両親の優れた特性を受け継ぐことが期待され、多くの人々に愛されています。
一般的に「ゴールデンラブラドール」と呼ばれることが多いですが、これは正式な犬種名ではありません。他にも「ゴルラブ」「ラブラドールゴールデン」「ゴールドラブ」など、様々な愛称で親しまれています。
人気の理由は、やはり両親であるゴールデンとラブが持つ素晴らしい性格(賢さ、人懐っこさ、穏やかさ、訓練性能の高さなど)を受け継ぐ可能性が高い点でしょう。また、外見も両親の特徴が組み合わさるため、ユニークで魅力的な容姿になることが期待されます。被毛の長さは、ゴールデンの長毛とラブの短毛の中間くらいになることもあれば、どちらか一方に強く似ることもあり、個体差が大きいです。毛色も、ゴールド系、ブラック、チョコレート、イエロー、あるいはそれらが混ざったような色合いなど、非常に多様です。
性格についても、基本的にはフレンドリーで賢い子が多いとされますが、ゴールデンの穏やかさとラブの活発さ、どちらの気質がより強く表れるかは個体によって異なります。サイズは、両親ともに大型犬であるため、確実に大型犬に成長します。
ただし、ミックス犬を迎える際にはいくつか注意点があります。まず、性格や外見、サイズがある程度予測できる純血種と異なり、成長後の姿を正確に予測するのは難しいという点です。また、ミックス犬は遺伝的な多様性から健康であると言われることもありますが、両親がかかりやすい遺伝性疾患を受け継ぐ可能性も否定できません。ゴールデンもラブも、股関節形成不全や特定の腫瘍などのリスクがあるため、注意が必要です。
ゴールデンラブラドールは非常に魅力的なミックス犬ですが、その特性や注意点をよく理解することが大切です。迎える際には、どのような親から生まれたのか、どのような環境で育ったのかなどを確認できる、信頼できるブリーダーや保護団体を選ぶようにしましょう。
あなたに合うのはどっち?選ぶ際のポイント
ゴールデンレトリバーとラブラドールレトリバー、どちらも素晴らしい犬種ですが、最終的にどちらを選ぶかは、ご自身のライフスタイルや好み、そして犬にかけられる時間や労力によって異なります。ここでは、どちらを選ぶか考える上での具体的なポイントを比較してみましょう。
まず、日々のお手入れについてです。ゴールデンは美しい長毛が魅力ですが、毎日のブラッシングが欠かせません。特に換毛期は抜け毛が多く、毛玉もできやすいため、こまめなケアが必要です。掃除の手間も考慮に入れる必要があります。一方、ラブは短毛ですが、こちらも抜け毛は多いです。ブラッシングは必要ですが、ゴールデンに比べると手入れは比較的楽と感じるかもしれません。お手入れにあまり時間をかけられない、あるいは抜け毛の掃除の手間を少しでも減らしたいと考えるなら、ラブの方が向いている可能性があります。
次に、必要な運動量と活発さです。ラブは非常にエネルギッシュで、より多くの運動量を必要とします。特に若い頃はやんちゃな面が目立つこともあります。アクティブな生活を好み、毎日十分な運動時間を確保できる方にはラブがぴったりかもしれません。ゴールデンも十分な運動は必要ですが、ラブに比べると成犬になると比較的落ち着いた性格の傾向があります。穏やかな時間を共に過ごしたいと考えるなら、ゴールデンの方がイメージに近いかもしれません。
住環境も考慮すべき点です。ゴールデンは長毛のため暑さに弱い傾向があります。夏場の温度管理には特に注意が必要です。また、抜け毛が多いため、マンションなどの集合住宅では、共用部分での配慮がより求められるかもしれません。ラブは比較的暑さには強いですが、やはり日本の夏は注意が必要です。どちらの犬種も広い飼育スペースが必要な点は共通しています。
性格の好みも重要な要素です。ゴールデンの穏やかさや感受性の豊かさに魅力を感じるか、ラブの陽気でエネルギッシュな性格に惹かれるか、ご自身の好みを考えてみましょう。
最後に、どちらを選ぶにしても忘れてはならないのが、大型犬を迎えるという責任です。力の強さ、広いスペースの必要性、食費や医療費、しっかりとしたしつけ、そして老後の介護まで、長期的な視点で考え、覚悟を持つことが最も重要です。
可能であれば、実際に両方の犬種に触れ合ってみたり、それぞれの犬種を飼っている人の話を聞いたりして、情報を集めることをお勧めします。見た目の好みだけでなく、ご自身の生活に本当にマッチするのはどちらか、じっくりと考えて最適なパートナーを選んでください。
ラブラドールレトリバーとゴールデンレトリバーの違いを総括
記事のポイントをまとめます。
- ゴールデンは長毛、ラブは短毛である
- ゴールデンの毛色はゴールド系のみ、ラブは3色(黒・黄・茶)である
- 標準的な体格(体高・体重)は両者ほぼ同じである
- ゴールデンは優雅な印象、ラブは力強い印象の体つきである
- どちらも非常にフレンドリーで人懐っこい性格である
- どちらも賢く訓練性能が高い
- ゴールデンはより穏やかで感受性が豊か、ラブはより活発な傾向がある
- ゴールデンの原産国はイギリス、ラブはカナダである
- ゴールデンは狩猟犬、ラブは漁師の作業犬がルーツである
- ゴールデンは長毛のため毎日のブラッシングが必須である
- ラブは短毛だが抜け毛が多く定期的なブラッシングが必要である
- ラブは特に多くの運動量を必要とする
- ラブは食欲旺盛で肥満になりやすい傾向がある
- どちらも大型犬のため広い飼育スペースと相応の費用が必要である
- ゴールデンは暑さに弱い傾向がある
- 股関節形成不全は両犬種で注意すべき関節疾患である
- ゴールデンはがん、ラブは外耳炎に比較的かかりやすいとされる
- ミックス犬「ゴールデンラブラドール」も人気だが個体差が大きい
- 飼いやすさは手入れの手間や必要な運動量を考慮して判断すべきである
- どちらを選ぶかは飼い主の生活環境や好み、覚悟が重要である