コーギーといえば、短いしっぽとぷりぷりとしたお尻が特徴ですが、実は生まれつきしっぽがないわけではありません。
多くのコーギーは、生後数日以内に「断尾」という処置を受けています。
では、なぜコーギーのしっぽは切られるのでしょうか。
その理由には、牧羊犬としての歴史的背景や、犬種標準(スタンダード)の規定、過去の税制度や迷信など、さまざまな要因が関係しています。
しかし、現代ではペットとして飼われることが一般的になり、しっぽを切る必要性が見直されつつあります。
この記事では、コーギーのしっぽが切られる理由や歴史的背景、断尾の影響、そしてしっぽを切らない選択肢が広がる現状について詳しく解説します。
コーギーのしっぽについて正しく理解し、自分に合った選択をするための参考にしてください。
- コーギーのしっぽが切られる歴史的な理由と背景
- 現在も断尾が続いている理由と犬種標準の影響
- 断尾が犬に与える影響やデメリット
- しっぽを切らない選択肢とその広がり
コーギーのしっぽを切る理由は?歴史的背景

コーギーといえば、短いしっぽとぷりぷりとしたお尻が特徴的ですが、実は生まれつきしっぽがないわけではありません。ほとんどのコーギーは、子犬のうちにしっぽを切られる「断尾」という処置を受けています。
この処置は、コーギーが牧羊犬として活躍していた歴史に由来しており、当時は実用的な理由で行われていました。しかし、現在ではペットとして飼われることが一般的になったため、断尾の必要性が議論されています。
この記事では、コーギーのしっぽが切られる理由や歴史的な背景について詳しく解説し、現代の考え方についても触れていきます。
- コーギーは生まれつきしっぽがある
- なぜコーギーのしっぽは切られるのか
- 牧羊犬としての安全対策だった
- しっぽに税金がかけられていた時代があった
- しっぽを切ると病気を予防できる?迷信の影響
- しっぽがあるとキツネと間違われることもあった
- 犬種標準(スタンダード)がしっぽなしを推奨している
- しっぽを切るのはいつ?一般的な断尾の時期
- 断尾の方法とその影響(切断法・結紮法)
コーギーは生まれつきしっぽがある
コーギーのほとんどは、本来ふさふさとした長いしっぽを持って生まれてきます。しかし、日本では「コーギー=しっぽがない犬」というイメージが強いため、生まれてすぐにしっぽを切るのが一般的になっています。
コーギーには、「ウェルシュ・コーギー・ペンブローク」と「ウェルシュ・コーギー・カーディガン」の2種類がいます。ペンブロークはしっぽが短いか、完全にない個体が多いですが、これはほとんどが人工的に切られた結果です。一方、カーディガンは断尾されることがなく、長いしっぽを持っているのが特徴です。
ただし、ペンブロークの中には「ナチュラルボブ」と呼ばれる、生まれつきしっぽが短い個体も存在します。この遺伝的な特徴を持つコーギーは少数ですが、しっぽを切らなくても見た目が変わらないため、海外ではナチュラルボブの繁殖が推奨されることもあります。
日本では「しっぽなしのコーギー」がスタンダードとされるため、ペットショップなどで販売されるほとんどのコーギーは断尾されています。しかし、海外では動物福祉の観点から、断尾をしない方向に進んでいる国も増えているのが現状です。
- コーギーは本来しっぽがある犬種
- ほとんどのペンブロークは人工的にしっぽを切られている
- ナチュラルボブのコーギーは生まれつきしっぽが短い
なぜコーギーのしっぽは切られるのか
コーギーのしっぽが切られる理由は、歴史的な背景と現代の犬種基準にあります。昔は牧羊犬としての役割を果たすため、しっぽを切ることが安全対策とされていました。しかし、現在では牧羊犬として働くコーギーはほとんどおらず、主に「見た目の統一」や「犬種スタンダード」によって断尾が続けられています。
特に、日本ではジャパンケネルクラブ(JKC)が定める犬種基準に「コーギーのしっぽは断尾または5.1cm以下」と記されているため、多くのブリーダーがこの基準に従い、断尾を行っています。これは血統書の取得や、ペットショップでの販売に影響を与えるためです。
また、断尾されたコーギーが一般的になったことで、「コーギーはしっぽがない犬」という認識が広まり、消費者の需要も断尾の継続につながっています。 しっぽのあるコーギーを見たことがない人も多いため、ペットショップでは断尾されたコーギーを主に取り扱う傾向にあります。
一方で、海外では動物福祉の観点から断尾を禁止する国が増えており、しっぽを切らないコーギーも増加しています。 特にヨーロッパ諸国では、ペットとしての犬に対する身体的な改変を避ける流れが強まっており、ナチュラルボブ(生まれつきしっぽが短い個体)の繁殖が推奨されることもあります。
- 牧羊犬としての歴史が断尾の理由の一つ
- 現代では犬種基準や消費者の需要が影響している
- 海外では断尾を禁止する国が増えている
牧羊犬としての安全対策だった

コーギーがしっぽを切られるようになった最大の理由の一つが、牧羊犬として働く際の安全確保です。コーギーはもともと牧場で牛や羊を追いかける仕事をしており、体が小さいため、しっぽが長いと事故につながるリスクがありました。
例えば、コーギーが牛の群れの中で走っていると、しっぽが踏まれてしまい、転倒したり、動けなくなったりする危険があります。また、木の枝や柵にしっぽが引っかかることで怪我をする可能性もありました。こうした事故を防ぐために、牧羊犬として飼われる犬にはしっぽを切る習慣が広まったとされています。
また、しっぽがあることで、牛や羊に噛まれるリスクもありました。コーギーは牛の足元で素早く動くため、しっぽを噛まれて引きずられたり、大きな怪我を負ったりすることを防ぐために断尾が行われるようになったと考えられています。
しかし、現代ではコーギーを牧羊犬として飼うケースはほとんどありません。そのため、安全対策としての断尾の必要性はなくなったにもかかわらず、犬種標準や見た目の統一のために断尾が続けられています。
- 牧羊犬時代、しっぽは踏まれたり噛まれるリスクがあった
- 怪我を防ぐために、しっぽを切る習慣が広まった
- 現代では牧羊犬としての役割はほぼなくなっている
しっぽに税金がかけられていた時代があった
コーギーのしっぽを切る理由の一つに、税金対策があったとされています。これは、かつてイギリスで「犬税」と呼ばれる税金が導入されていたことに由来します。
18世紀から19世紀にかけて、イギリスでは「しっぽのある犬には税金が課される」という法律がありました。この税金は、ペットや狩猟犬などの娯楽目的で飼われる犬を対象にしていました。一方で、労働犬(牧羊犬や猟犬)には税金がかからなかったため、農家や牧場の人々は税金を回避するために、犬のしっぽを切る習慣を作り出しました。
つまり、コーギーのしっぽを切ることで「これは労働犬だ」と証明し、税金を免除してもらうことが可能だったのです。この制度は、コーギーだけでなく、他の牧羊犬や作業犬にも適用され、多くの犬種で断尾が行われるようになりました。
しかし、現在ではこの税制度は廃止されており、税金対策としての断尾は必要なくなっています。 それにもかかわらず、コーギーのしっぽを切る習慣だけが残り、見た目の統一や犬種標準に影響を与える要因となりました。
- イギリスではしっぽのある犬に税金がかけられていた
- 牧羊犬は税金免除の対象だったため、しっぽを切る習慣が生まれた
- 現在は税制度が廃止されたが、断尾の習慣は続いている
しっぽを切ると病気を予防できる?迷信の影響
コーギーのしっぽを切る理由の一つとして、「病気の予防」という考えが広まっていた時代がありました。しかし、これは科学的な根拠がほとんどない迷信の影響が大きいとされています。
過去には、「しっぽを切ることで感染症を防げる」「狂犬病のリスクが減る」といった説が信じられていました。特に、しっぽが長いと地面に触れやすく、不衛生になりやすいと考えられていたため、牧羊犬や猟犬のしっぽを切ることで病気を予防できるという主張がありました。
また、一部では「しっぽを切ると瞬発力が上がる」「より俊敏に動ける」といった迷信も存在しました。しかし、しっぽにはバランスを取る重要な役割があり、実際には俊敏性が増すという科学的根拠はありません。
現代では、動物医療の発展により、しっぽを切ることが病気予防につながらないことが明らかになっています。それどころか、しっぽを切ることで傷口から感染症にかかるリスクが高まることや、痛みやストレスが長く続く可能性が指摘されています。
そのため、現在ではしっぽを切ることによる病気の予防効果は否定されており、多くの国で断尾の必要性が見直されています。
- しっぽを切ると病気予防になるという説は迷信だった
- 科学的な根拠はなく、感染症リスクが逆に高まることもある
- 現在では多くの国で断尾の必要性が見直されている
しっぽがあるとキツネと間違われることもあった

コーギーは、しっぽが長いとキツネと間違われることがあったため、しっぽを切る習慣が広まったという説もあります。特に、コーギーの毛色や体の形はキツネによく似ており、狩猟が盛んだった時代には、誤って撃たれるリスクがあったと言われています。
ヨーロッパの一部地域では、農村部や森での狩猟が日常的に行われていました。その際、キツネを害獣として駆除することが一般的でした。しかし、キツネに似た体型のコーギーが紛れ込んでしまうと、誤射される危険があったため、しっぽを切ることでキツネと区別しやすくしたという説があります。
また、しっぽを切ることで「これは猟犬や牧羊犬であり、狩猟の対象ではない」と識別しやすくする目的もあったとされています。これにより、コーギーが狩猟の犠牲になることを防げると考えられていました。
しかし、現代ではこのような状況はほとんどなく、しっぽを切る必要性は完全になくなっています。 それにもかかわらず、過去の習慣が今でも続いているのが現状です。
- しっぽが長いとキツネと間違われることがあった
- 狩猟の際に誤射を防ぐ目的でしっぽを切る習慣が広まった
- 現代では誤射のリスクはほぼなく、断尾の必要性もない
犬種標準(スタンダード)がしっぽなしを推奨している
現在でもコーギーのしっぽが切られる大きな理由の一つが、犬種標準(スタンダード)にあります。犬種標準とは、各犬種ごとに定められた「理想的な姿」のことで、国際的なドッグショーや血統証明書の発行にも影響を与える基準です。
ジャパンケネルクラブ(JKC)やアメリカンケネルクラブ(AKC)では、コーギーのスタンダードとして「断尾または5.1cm以下のしっぽ」と定めています。そのため、しっぽのあるコーギーは「スタンダードに合わない」とされ、ペットショップやブリーダーでの販売の際に不利になることがあります。
また、多くの飼い主が「コーギーといえばしっぽがない」というイメージを持っているため、市場の需要に合わせて断尾が続けられているのも事実です。そのため、ブリーダーの中には「しっぽ付きのコーギーは売れにくい」と考え、断尾を行うケースが多くあります。
しかし、ヨーロッパでは動物福祉の観点から、しっぽのあるコーギーが増えており、一部のブリーダーは断尾しない選択肢を提供するようになっています。 こうした流れが今後、日本にも広がる可能性があります。
- 犬種標準で「しっぽなし」が推奨されている
- しっぽのあるコーギーは市場で売れにくいと考えられている
- 海外ではしっぽを残す流れが広がっている
しっぽを切るのはいつ?一般的な断尾の時期
コーギーのしっぽは、生後数日以内に切られるのが一般的です。具体的には、生後2~5日頃に行われることが多く、この時期に行う理由は「痛みを感じにくい」とされているためです。しかし、これは科学的に証明されたものではなく、実際には子犬でも痛みを感じている可能性があるとする研究もあります。
生後2~5日以内に断尾を行う場合、一般的には麻酔は使用されません。これは、新生児期の子犬に全身麻酔をかけることがリスクを伴うためです。そのため、しっぽを切る際は手早く行う必要があります。
一方、生後8日を過ぎてから断尾をする場合は、麻酔を使用して行われることが多いです。これは、子犬の神経が発達し、痛みをより強く感じるようになるためです。しかし、麻酔の影響を考慮し、ほとんどの断尾は生後1週間以内に行われています。
断尾が行われる時期は、ブリーダーや獣医師の判断によりますが、ほとんどのコーギーはペットショップに並ぶ前にすでに断尾されているため、飼い主がしっぽの有無を選べるケースは少ないのが現状です。
- コーギーの断尾は生後2~5日頃に行われることが多い
- 麻酔なしで行われるが、痛みを感じている可能性がある
- ペットショップに並ぶ前に断尾されるため、選択の余地がないことが多い
断尾の方法とその影響(切断法・結紮法)
コーギーのしっぽを切る方法には、大きく分けて「切断法」と「結紮法(けっさつほう)」の2種類があります。それぞれの方法には異なる特徴があり、国やブリーダーによって採用される方法が異なります。
1. 切断法(外科的断尾)
切断法は、獣医師がメスやハサミを使ってしっぽを直接切り落とす方法です。日本ではこの方法が一般的で、通常は生後数日以内に麻酔なしで行われます。 短時間で済むため、感染症のリスクが比較的低いとされていますが、切断時の痛みやストレスが大きいのが欠点です。
2. 結紮法(ゴムバンド法)
結紮法は、しっぽの根元をゴムバンドなどで強く縛り、血流を止めて自然に壊死させる方法です。数日から1週間ほどかけてしっぽが落ちるのを待ちます。この方法はヨーロッパの一部地域で使われていましたが、壊死の過程で強い痛みを伴う可能性があり、現在ではほとんど採用されていません。
断尾の影響とリスク
しっぽを切ることは、単なる見た目の問題ではなく、犬の生活に大きな影響を与える可能性があります。例えば、しっぽは感情表現のための重要な器官であり、断尾された犬は他の犬とのコミュニケーションが難しくなることがあります。
また、断尾後の傷口が感染症を引き起こしたり、「幻肢痛」と呼ばれるしっぽの痛みが長期間続くケースもあります。しっぽを切られた犬の中には、しっぽがないにもかかわらず「しっぽを動かそうとする」行動を見せることがあり、これは神経がまだしっぽの存在を記憶しているためと考えられています。
- 断尾には切断法(外科手術)と結紮法(ゴムバンド法)がある
- 日本では切断法が一般的で、ゴムバンド法はほとんど使われない
- 断尾は感染症リスクやコミュニケーション障害の原因になる可能性がある
コーギーのしっぽを切る理由と、変わりつつある現代の考え方

コーギーのしっぽを切る習慣は長い歴史を持っていますが、現在ではその必要性が見直されつつあります。特に、ペットとして飼われることがほとんどになった現代では、断尾は本当に必要なのか? という疑問が多くの人に抱かれています。
海外では動物福祉の観点から断尾を禁止する国も増えており、日本国内でもしっぽを切らずに育てるブリーダーが増えてきています。さらに、飼い主の意識も変化しており、「しっぽのあるコーギーを選びたい」という声も聞かれるようになりました。
この記事では、コーギーの断尾が動物に与える影響や、世界的な動向について詳しく解説していきます。
- コーギーのしっぽを切るのは痛い?動物福祉の観点
- 海外ではコーギーの断尾が禁止されている国が多い
- しっぽを切らないブリーダーが増えている
- コーギーのしっぽを切るメリットとデメリット
- しっぽがないと感情表現やバランスに影響が出る?
- しっぽのあるコーギーの値段は?どこで買える?
- 日本でも断尾をしない選択肢が広がっている
- これからのコーギーはしっぽを切らないのが主流になる?
- コーギーのしっぽを切る理由を総括
コーギーのしっぽを切るのは痛い?動物福祉の観点
コーギーのしっぽを切る処置は、一般的に生後数日以内に行われます。そのため、「まだ痛みを感じない」と考えられがちですが、実際には生まれたばかりの子犬でも痛みを感じている可能性が高いとする研究結果が報告されています。
断尾の際、通常は麻酔を使用しません。これは、生後間もない子犬に麻酔をかけることがリスクを伴うためです。しかし、しっぽには多くの神経が通っており、切断時には強い痛みを伴うと考えられます。さらに、断尾後の傷口が治る過程でも、長期間にわたって痛みが続く可能性があると指摘されています。
また、しっぽは犬の感情表現にとって重要な役割を果たします。しっぽの動きは、喜びや恐怖、興奮などの感情を示すため、断尾された犬は他の犬とのコミュニケーションが難しくなることがあります。例えば、しっぽを振ることで「友好的である」と伝えられるのに、しっぽがないと相手の犬に誤解され、攻撃されやすくなることもあるのです。
このような理由から、多くの国では動物福祉の観点から断尾を禁止する法律を制定しています。例えば、イギリスやスウェーデン、ドイツなどでは、ペットとして飼われる犬の断尾は禁止されています。一方、日本ではまだ法的な規制はありませんが、ブリーダーや飼い主の意識が変わりつつあり、しっぽを残す選択肢が広がってきています。
- 生後数日でも子犬は痛みを感じる可能性がある
- しっぽは犬の感情表現に重要な役割を果たす
- 海外では断尾を禁止する国が増えている
海外ではコーギーの断尾が禁止されている国が多い
近年、動物福祉の観点からコーギーの断尾を禁止する国が増えています。 これは「動物に不必要な苦痛を与えてはならない」という考えが広まっているためです。特にヨーロッパを中心に、ペットとしての犬の断尾は禁止されている国が多くなっています。
例えば、イギリス、スウェーデン、ドイツ、ノルウェー、フィンランド、スイスなどでは、法律で断尾が禁止されています。これらの国々では、例外的に医療上の理由がある場合を除き、美容目的の断尾は違法とされているのです。また、オーストラリアや一部のカナダの州でも、同様の法律が施行されています。
アメリカでは、州ごとに異なるルールがありますが、動物愛護団体の働きかけによって、断尾をしない流れが強まっています。 一方、日本では法的な規制はなく、依然としてコーギーの断尾が一般的に行われています。しかし、海外の動向が影響を与え、日本国内でもしっぽを切らないコーギーが増えつつあるのが現状です。
- ヨーロッパではコーギーの断尾が禁止されている国が多い
- アメリカやカナダでは、州ごとに規制が異なる
- 日本ではまだ禁止されていないが、しっぽを切らない流れが強まっている
しっぽを切らないブリーダーが増えている

最近、日本国内でもしっぽを切らないブリーダーが増えてきています。 これは、動物福祉の意識が高まる中で、「不要な断尾は避けるべきだ」と考える人が増えているためです。また、海外の動向を受け、日本のブリーダーの間でも「しっぽを残したコーギー」を求める声が増えています。
特に、ペットとしてコーギーを飼いたいと考える人の間では、「しっぽのあるコーギーの方が自然な姿で可愛い」といった理由から、しっぽ付きのコーギーを希望する飼い主が増加しています。これに応じる形で、しっぽを切らないブリーダーが増えているのです。
また、しっぽ付きのコーギーを希望する場合、ブリーダーに事前に相談すれば断尾しない状態で譲ってもらえるケースもあります。 ただし、ペットショップでは依然として断尾されたコーギーが主流のため、しっぽ付きのコーギーを探すなら、ブリーダーから直接購入する方が確実でしょう。
- 日本でもしっぽを切らないブリーダーが増えている
- しっぽ付きのコーギーを求める飼い主が増加している
- しっぽ付きのコーギーを探すなら、ブリーダーに直接相談するのが確実
コーギーのしっぽを切るメリットとデメリット
コーギーのしっぽを切ることには、歴史的な背景があるものの、現在ではそのメリットはほとんどなくなっていると言えます。一方で、デメリットの方が多く指摘されており、動物福祉の観点からも断尾は見直されるべきだという意見が増えています。
メリット
- 見た目がスタンダードに合う(犬種標準を満たす)
- 汚れがつきにくい(しっぽの汚れによる感染症のリスクが減るという考え)
- ペットショップで販売しやすい(しっぽなしのコーギーが一般的なため)
デメリット
- 痛みやストレスが大きい(特に麻酔なしで行われる場合)
- 感情表現が制限される(しっぽを使ったコミュニケーションが困難になる)
- バランスを崩しやすくなる(しっぽは体のバランスを取るのに重要な役割を果たす)
特に、犬同士のコミュニケーションにおいて、しっぽは非常に大切です。しっぽを振ることで相手に友好的であることを伝えたり、しっぽの動きで気持ちを表したりするため、断尾された犬は他の犬と意思疎通が難しくなることがあります。
また、しっぽを切ることで「幻肢痛(しっぽがあるはずの部分に痛みを感じる現象)」が起こるケースもあり、犬にとって長期間のストレスになる可能性があります。
- しっぽを切るメリットは、見た目と汚れ防止くらいしかない
- デメリットとして、痛みや感情表現の制限がある
- しっぽを切ることは、犬の健康やコミュニケーションに悪影響を与える可能性がある
しっぽがないと感情表現やバランスに影響が出る?
犬にとってしっぽは感情表現の重要なツールです。しっぽの動きで喜びや不安、警戒心などを示し、他の犬や人間とのコミュニケーションを取ります。断尾された犬は、しっぽを使った感情表現が制限されるため、他の犬と意思疎通が難しくなることがあります。 例えば、しっぽを振ることで「遊びたい」という意思を伝えたり、しっぽを下げることで「怖い」と示すことができますが、しっぽがないと相手の犬が誤解することもあります。
また、しっぽは体のバランスを取る役割も果たしています。特に、走るときや方向を急に変えるときには、しっぽが舵(かじ)のような働きをし、スムーズな動きを助けます。しっぽがないと、足元が不安定になり、転びやすくなる犬もいるといわれています。
さらに、一部の犬では「幻肢痛(げんしつう)」が発生することがあります。これは、しっぽを切られた後でも「しっぽがある」と脳が認識し、痛みを感じる現象です。人間でいう「幻肢痛(失った手足が痛む感覚)」と同じような状態が起こることがあり、犬がしっぽのあった部分を気にして噛んだり、舐め続けることもあります。
こうした影響を考えると、しっぽのある犬と比べて、断尾された犬にはストレスや運動機能の低下が生じる可能性があることを知っておくことが大切です。
- しっぽは犬の感情表現にとって重要な役割を持つ
- しっぽがないと走る際のバランスが取りにくくなる
- 断尾によって幻肢痛を感じる犬もいる
しっぽのあるコーギーの値段は?どこで買える?

日本では、しっぽのあるコーギーはまだ珍しいため、ペットショップで見かけることはほとんどありません。多くのペットショップでは、従来の「しっぽを切ったコーギー」が主流であり、しっぽのあるコーギーを探す場合はブリーダーから直接迎えるのが確実です。
ブリーダーの中には、動物福祉の観点から断尾を行わない方針を採用しているところも増えています。しっぽ付きのコーギーを希望する場合は、事前にブリーダーに相談し、「しっぽを残した状態で譲ってもらえるか」を確認するとよいでしょう。
しっぽのあるコーギーの値段は、基本的に断尾されたコーギーと大きな差はありません。一般的なコーギーの価格は25万円~40万円程度ですが、しっぽ付きのコーギーはまだ流通が少ないため、需要の高さによって価格が上がることもあります。 また、しっぽのあるコーギーを求める人が増えているため、将来的にはしっぽ付きのコーギーが一般的になる可能性もあります。
海外では、特にヨーロッパを中心に「しっぽのあるコーギー」が標準となっており、アメリカなどでも断尾をしないコーギーが増えています。日本でもこの流れが徐々に広まっており、今後はしっぽのあるコーギーを選べる機会が増えることが期待されています。
- しっぽのあるコーギーはブリーダーから直接迎えるのが確実
- 価格は25万~40万円で、しっぽの有無で大きな差はない
- しっぽのあるコーギーを求める人が増えており、流通も拡大中
日本でも断尾をしない選択肢が広がっている
これまで日本では、コーギーのしっぽを切るのが一般的でした。しかし、近年では断尾をしないコーギーを選ぶ飼い主が増えつつあります。 これは、動物福祉の意識が高まり、「しっぽを切ることは本当に必要なのか?」と疑問を持つ人が増えたことが背景にあります。
特に、海外ではペット犬の断尾を禁止する国が増えているため、日本でもその影響を受ける形で「しっぽのあるコーギー」に関心を持つ人が増えています。これに応じる形で、一部のブリーダーがしっぽを切らないコーギーの繁殖を始めています。
また、SNSやインターネットの普及により、しっぽのあるコーギーの写真や動画が広まり、「しっぽ付きのコーギーも可愛い」と考える人が増えてきました。そのため、飼い主の間でも「しっぽを切らない選択肢があるなら、そちらを選びたい」との声が上がっています。
とはいえ、日本ではまだ断尾されたコーギーが主流であり、ペットショップではしっぽ付きのコーギーを見かけることは少ないのが現状です。そのため、しっぽのあるコーギーを迎えたい場合は、ブリーダーに直接相談するのが確実な方法です。今後、日本でも断尾をしない選択肢がさらに広がる可能性があります。
- 日本でもしっぽ付きのコーギーを選ぶ飼い主が増加
- 一部のブリーダーが断尾しないコーギーを繁殖し始めている
- ペットショップではまだ断尾されたコーギーが主流
これからのコーギーはしっぽを切らないのが主流になる?
近年、世界的に動物福祉の意識が高まり、しっぽを切らないコーギーが増える傾向にあります。ヨーロッパではすでに断尾が禁止されており、アメリカでも州によっては規制が強化されています。この流れを受けて、日本でも断尾をしない選択肢が広がっていく可能性が高いです。
日本のブリーダーの中には、「これからはしっぽのあるコーギーが一般的になる」と考え、断尾しない方針を取るところが増えています。 実際、しっぽ付きのコーギーを求める飼い主が増えたことで、ペットショップでもしっぽのあるコーギーが販売される例が出てきています。
また、しっぽ付きのコーギーが認知されることで、「コーギーはしっぽがない犬」という固定観念が変わりつつあるのも事実です。これにより、今後はブリーダー側も需要に応じてしっぽを残すケースが増えていくと考えられます。
しかし、ジャパンケネルクラブ(JKC)ではコーギーの犬種基準として「断尾または5.1cm以下」と規定されているため、ドッグショーなどでは断尾されたコーギーが主流のままです。そのため、日本全体で断尾が完全になくなるまでには、まだ時間がかかるかもしれません。
とはいえ、しっぽを切らない選択が徐々に広がりつつあることは確かです。飼い主の意識が変わることで、将来的には「しっぽ付きのコーギー」が一般的になる可能性があります。
- 世界的にしっぽを切らない流れが進んでいる
- 日本でもしっぽ付きコーギーの需要が増加している
- 断尾の完全廃止にはまだ時間がかかる可能性がある
コーギーのしっぽを切る理由を総括
記事のポイントをまとめます。
- コーギーは本来しっぽがある犬種
- 日本では生後数日でしっぽを切るのが一般的
- しっぽを切る理由は歴史的背景と犬種基準にある
- 牧羊犬時代にしっぽが邪魔になると考えられていた
- しっぽが長いと家畜に踏まれるリスクがあった
- かつてイギリスではしっぽのある犬に税金が課されていた
- 税金対策としてしっぽを切る習慣が生まれた
- 感染症予防のためにしっぽを切る迷信があった
- しっぽを切ると瞬発力が上がると考えられていた
- キツネと間違われないように断尾されたという説がある
- ジャパンケネルクラブの基準ではしっぽは5.1cm以下とされる
- しっぽなしのコーギーがスタンダードとされている
- しっぽのないコーギーは市場で売れやすい
- 断尾はペットショップの需要によって維持されている
- しっぽを切る方法には切断法と結紮法がある
- 断尾は感染症や痛みのリスクを伴う
- しっぽは犬の感情表現やバランスに重要な役割を持つ
- しっぽがないと他の犬とのコミュニケーションが難しくなる
- ヨーロッパではペットの断尾を禁止している国が多い
- しっぽを切らないブリーダーが日本でも増えている
- しっぽ付きのコーギーはブリーダーから直接迎えやすい
- しっぽ付きのコーギーの価格は断尾された個体と大差ない
- 日本でもしっぽを切らない選択肢が広がっている
- 断尾しないコーギーを求める飼い主が増えている
- しっぽ付きのコーギーの流通は今後増える可能性がある